INTERVIEW

「おかえりなさい。」が溢れる島。甑島への旅人を迎え入れる若女将 古賀 愛深さん【MOKUMOKUインタビュー第3弾】

2023.11.23
さくら

学校・学年・専攻の垣根を越え、共に、人生をデザインする術を身につける場であるライフデザインアカデミーMOKUMOKU。実は、頑張る学生を応援してくださるスポンサー企業の方々によって支えられているんです。

スポンサー企業の方々の仕事や人生を知ることで、自分の未来について考える材料が増えるのではないか…?

よって、第2期では、スポンサー企業の方々にMOKUMOKU生がインタビューを行い、記事にすることに挑戦していきます!

記念すべき第3弾は、“東シナ海の小さな島ブランド株式会社”です!

|スポンサー紹介

東シナ海の小さな島ブランド株式会社は「美しい島々の限界集落に焦点を当てて、ここにあるものを原点に、未来にある普通の風景を作り続けたい」という思いから誕生しました。
実際に、築70年を超える古民家をリノベーションした宿泊施設「FUJIYA HOSTEL」、島の素材を使った加工品を販売する「山下商店甑島本店」、ゆったりとした時間が流れるパン屋さん「オソノベーカリー」、島の食材をふんだんに使用したランチが食べられる「コシキテラス」、など島の資源や元からあるものを使って多岐にわたる新しい事業を手掛けています。
このように、あらゆる地域資源を循環させるための事業を展開しその地域の「らしさ」を守り続けている会社です。

|インタビューのお相手は「FUJIYA HOSTELの女将 古賀 愛深さん」

今回インタビューさせていただいたのは、東シナ海の小さな島ブランド株式会社地域デザイン事業部の「古賀愛深さん」です👏
旅行雑誌の編集者を目指し、熊本大学文学部に入学。その後、熊本地震をきっかけに現地の情報を発信する活動をしていました。そこからWebデザインに興味を持ち始め、1年間休学し、オーストラリアにあるニューカッスル大学クリエイティブ学科ビジュアルデザインコミュニケーション学科に留学。留学が終わり、甑島での「島暮で暮らしてみる人」企画をきっかけに、復学までの三ヶ月「FUJIYA HOSTEL」で働きます。
そこで、誰かのために本当に意味のあることを泥臭く全力でしている東シナ海の小さな島ブランド株式会社に惹かれ新卒で入社しました。
熱い情熱を持つ愛深さんの甑島での生活と仕事についてお話しいただきました!!!

|そこに住む一人一人が好きなもの、目指すものに全力でいられる居場所を作りたい

ーーFUJIYA HOSTELの女将になったきっかけは何ですか?

甑島での島暮らし企画に応募して、3ヶ月間FUJIYA HOSTELで働きました。その3ヶ月間で、ありのままでいられる甑島と人の役に立つことができる実感が得られるところに惹かれ入社したのがきっかけです。

ーーなぜ「島暮らし」に応募しようと思ったのですか?

大学時代から宿を将来やってみたいという夢があったのと、復学前の何もない3ヶ月間にちょうど「島暮らし」が重なって、「私、甑島に呼ばれているかも!?」と思って応募しました。
元々、私の友人と甑島には行ったことがあって、その時にFUJIYA HOSTELに宿泊していたので宿の存在は知っていました。「島で暮らしてみる人」企画も友人から「こんなのあるよ!!」と教えてもらったのがきっかけで知ることができました。

ーー実際に東シナ海の小さな島ブランド株式会社に来て、今感じていることは何ですか?

私は、お互いが居心地良く過ごせるような村を作りたい。この甑島でならそれが叶えられると感じています。
入社して、つくるだけではなく守っていくことも村づくりなんだと学ばせてもらいました。
だから、地域の人が困っていることを改善するために「私も何かの役に立ちたい!!」と思い、宅建の資格を取ろうと思って勉強を始めてみました。まちづくりって声の大きい人が主導して、置いてけぼりにされてしまう感覚に違和感を感じていたけど、私はそこに住む1人1人が好きなことや目指すものに向き合えて生きていける世界を目指したいなと思っています!!

|自分にとって心地よければそれでいいじゃん!と感じたオーストラリア留学

ーーオーストラリア留学で学んだことは何ですか?

自分にとっての心地よい軸があればそれでいいんだということを学びました。
私のホストファミリーは年金暮らしのおじいちゃん、おばあちゃんで今でも写真を撮って送り合ったりしています。ベランダに出てみんなでご飯食べたり、プールで泳いだり、ファーマーズマーケットに行ったり、生き急がない感じがすごく心地よかった。なんか、甑島で過ごしている時間とすごく似ています。こうやって生きなければとか思わずに目の前のことに惑わされなくていいんだと思えた時間でした。

|自分らしく生きることを叶えて誰かにエネルギーを渡すことのできる存在に

ーー東シナ海の小さな島ブランド株式会社で働き始めてから、愛深さんに変化はありましたか?

仕事とプライベートの境目の曖昧さ(グラデーション)を楽しめるようになってきました。
最初は、地域デザイン関連の仕事をするときプロジェクトごとにプロフェッショナルが携わっていて、足元にも及ばないと感じていました。自分が作ったものとプロフェッショナルが作ったものが横並びにされた時にズーン(泣)みたいな…
自信がない時期もありました。けど、自分にできることを淡々とやっていくことで自信を持つことで島で生きたい人たちと仕事だけに関わらず、一緒に何かをやっていく手触りが感じられることにやりがいを持てるようになりました。



ーー愛深さんがこれから挑戦したいことは何ですか?

私は私らしく生きれる場所を作ってもらったので、次は居場所を作る側になりたいです。
周りが就職してステップアップしているのに、私だけ甑島に来たことですごく出遅れ感を感じていた時がありました。
そんな時にコロナ病棟の看護師さんが宿に泊まりに来ていて、少しお話をしたんです。
「今回、本当に甑島に来られてよかった。コロナ病棟でずっと息苦しくて辛かったんです。それがなんかここで心がほぐれました。ありがとう。」って言われて、私は患者さんを直接支えることはできなくてもそれを助ける看護師さんたちが「明日からも頑張ろう!」って思えるエネルギーを渡すことができるんだ!って思った時にその出遅れ感がなくなって、このままでいいじゃん!ということに気付くことができました。
音楽だって、映像作家だって、その作品を見てエネルギーを受けとって元気付けられる人がいる。だったら全員が全力で自分が向き合いたいものと向き合うことができれば幸せじゃん!!と思ったんです。
個人でやったら面白いものができるかもしれない。だけど、枠に囚われてしまってそういう生き方をしたいわけじゃないのにそういう生き方になってしまっている人がいるかもしれません。だから、こういう生き方もあるんだよって、いろんな選択肢があるんだよっていうことを私が伝えていくことで、「自分も自分らしく生きていいんだ」みたいなきっかけになればいいなと思っています。
実際に島に暮らす人や離島にまつわる方々をお招きし、様々なトークを繰り広げるオンラインラジオ「小さな島の暮らし RITOLAB LIFE STORY」を配信しているのでこちらもご覧ください!

|最後に学生に向けてメッセージをください!!

「あなたらしくいてください。」ということを伝えたいです。
周りのいろんなものに惑う時間も必要だけど、きっとこれまでのことを掘り起こしてみれば「私、これで役に立てるかもしれない」みたいなことに気づく瞬間が出てくると思います。
自分らしく生きるための伏線ってきっといっぱいある。自分らしく一歩。一歩。歩んでいってもらいたいです。

|取材を終えて

取材を終えて私が印象深かったのは、未来を見つつ過去を振り返ることの大切さです。
「将来何がしたいか分からない」「社会で役に立てるのか不安」そんなことを感じているのは私だけでなく多くの学生がぶつかる壁だと思います。自分らしさって何だろう?私が人の役に立てることって?その答えとなるヒントは振り返ればきっとあるんだ。ということを今回の取材で学びました。
過去を振り返る時、失敗したこと、成功したこと、見たくない無いものもきっとあるけど、それも全部含めて自分なんだ、今に活かせればオールOK!!と思えて、その振り返りが成長につながるんだなと感じます。
愛深さんの強いエネルギー、キラキラした雰囲気と自然体でいる姿、言葉の一つ一つに力があって、私もエネルギーをもらうことができました。私自身もありのままに自分らしくいるための軸を見つけ、好きなことやりたいことに全力で向き合う世の中の一員になりたい!!と思えた取材でした!
最後まで見てくださってありがとうございます😄

鹿児島国際大学国際文化学部3年生。 食べること、踊ることが好き!

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