INTERVIEW

「みつき先生!」、園児たちの声が日々の支え そらのまちほいくえん 白濵みつきさん【スポンサーインタビュー第1弾】

2023.08.22
花音

 学校・学年・専攻の垣根を越え、共に、人生をデザインする術を身につける場であるライフデザインアカデミーMOKUMOKU。実は、頑張る学生を応援してくださるスポンサー企業の方々によって支えられているんです。

スポンサー企業の方々の仕事や人生を知ることで、自分の未来について考える材料が増えるのではないか…?

よって、第2期では、スポンサー企業の方々にMOKUMOKU生がインタビューを行い、記事にすることに挑戦していきます!

記念すべき第一弾は、“株式会社そらのまち”です!
今回は、鹿児島市天文館にある“そらのまちほいくえん”にお邪魔させていただき、今年度から正社員として働いている“白濵みつき”さんにお話を伺いました。

|スポンサー企業のご紹介

 株式会社そらのまちは、鹿児島市天文館に所在する“そらのまちほいくえん”の運営を主に行なっています。『食べることや、いろんな国、いろんな世代の人と交わることを大事にしながら、おとな・こども と区別をせず、生きることに向き合う保育園』であるそらのまちほいくえん。大半の園児のご家族は、天文館でお店を営んでいたり、仕事をされていたりする方々です。鹿児島の中心地であり、1番の繁華街である天文館の特性を活かし、天文館の街をお散歩したり、近くの八百屋さんの食材を使った給食を食べたりしているそう。また、これらの活動は社会的にも高く評価され、第3回ジャパンSDGsアワード特別賞、2020年にグッドデザイン賞も受賞しています。

|インタビューのお相手は、正社員1年目 白濵みつきさん

 鹿児島市出身の24歳(2023年7月時点)。地元である鹿児島の大学で児童学を専攻し、保育士資格と幼稚園免許を取得。その後、元々興味のあった心理学を学ぶために、短大へ2年間通う。昨年8月から、学生パートとしてそらのまちほいくえんで働き始め、今年度からは正社員として3・4歳児の担任を務めている。趣味は、映画を見ることや音楽を聴くこと。

|白濵さんの現在のお仕事について教えてください!また、特にやりがいを感じる瞬間はいつですか?

 昨年の8月から学生パートとして、そらのまちほいくえんで保育補助として働き始めました。今年度からは正社員になり、3・4歳児さん20人の担任をしています。毎朝、9時30分頃までに園児が登園してきて、大体10時前後くらいから一日の活動が始まります。この園では、基本的に園児がしたいことができるような環境づくりを行っていて、年長さんのクラスになると、毎朝、園児たちが椅子を丸く並べて、「今日すること」を議題にしたグループディスカッションを行う姿も見受けられますよ。うちのクラスでも、遊ぶ内容やお散歩の行き先は、子どもたちの意見をもとに決めるようにしています。

園児たちの「みつき先生!」に救われる日々

 子どもたちも進級してからまだ4ヶ月しか経っていないので、環境の変化に適応しきれていません。園児たちの表情や態度から伝わってくる、「これをしても自分は先生に嫌われないだろうか」という試しの期間を抜けるのが中々難しくて…。でも、クラスの子たちはもちろん、クラス以外の子たちも、「みつき先生!」と名前で呼ばれたり、「大好き」ってギュッと抱きしめられたりしたときには、嬉しさとやりがいを感じますね。補助でクラスに入ってくれている先生も初めて3歳以上のクラスを持つので、日々二人で試行錯誤、切磋琢磨しながら園児たちと向き合っています。

|今の仕事を目指したきっかけはなんですか?また、どんな学生生活を送っていましたか?

 親戚や近所の子が私よりも年下の子たちが多かったので、物心ついた頃から、よくその子たちを遊びに連れて行ったり、面倒を見たりしていました。誰かのお世話をすることに抵抗もなかったですし、子どもが好きだったので、大学では児童学を専攻し、保育士資格と幼稚園免許の取得を目指していました。
 特に、実習には力を入れて臨んだ記憶があります。私は、実習先で年長さんのクラスを担当する機会が多く、設定保育は試行錯誤しましたね。字が読めたり、足し算もできたり、できることが沢山ある年長さんには、簡単な手遊びや遊びの内容では退屈に感じさせてしまうんです。だからこそ、今まで子どもたちが身につけてきた知識や技術とのつながりを意識しながら、1時間という決められた時間の中で、いかに子どもたちを惹きつけられるかを自分なりに考えながら実習に取り組みました。夜中の2時頃まで、次の日に使う教材をフェルトや画用紙で作成する日もありましたが、何かを作ることは好きなので楽しんでました。大学4年生の時、周りと同じように就職するか迷ったのですが、昔から興味のあった心理学の勉強をするために短大へ進学しました。

気づいたことが言いやすい雰囲気の職場

 そらのまちほいくえんで働き始めたのは、昨年の8月からです。短大2年の時、就職を視野に入れたアルバイトがしたくて、保育士・幼稚園の免許が活かせる職種で探していた際に見つけました。学生パートの主な業務は、園児のお世話をすること以外にも、コップ洗いや掃除のお手伝いなど、担任の先生の補助的な役割も担います。保育補助という一歩引いて保育の現場を見られる余裕があったからこそ、担任の先生が一人でやろうとしていたら積極的に手伝うなど、小さな気遣いを心がけていました。担任の先生が気づいていなさそうな園児の行動や様子を伝えると、感謝されたり、褒めてもらえたりすることもあったので、客観的な立場の自分だからこそ気付けることも大切にしていました。

|学生の時と正社員の時では、どんな心境の変化がありましたか?また、働く上で大切にしていることを教えてください!

 学生パートの時と比べ、自分が感じている責任の重さは全然違いますね。担任をしていると、子どもたちを見る以外にも、行事ごとの係など園全体に関する仕事もあります。自分の仕事が少しでも遅れたら同僚の先生や園児の保護者さんなど多くの方々に迷惑をかけてしまうので、学生の時以上の責任感を持ちながら仕事をしています。担任になってからは、目の前の子どもたちへ自分の視野を集中させるため、学生の時のような余裕が、今の自分にはなくなっていることを感じました。だからこそ、補助でついてくれている先生から、+αの情報を教えてもらうなど、園児一人一人の細かい行動や様子を把握できるようにしています。

子どもは大人の姿を映し出す存在

 社会人として仕事をする上では、同僚の先生たちとのコミュニケーションも大切にしています。私の場合、担当のクラスの場所が職員室と距離的に離れているので、どうしても他の先生と接する機会が減ってしまうんです。だから、朝の出勤時に自分から声をかけたり、わからないことがあったら積極的に聞いたりするようにしています。また、子どもは大人の鏡だと思っています。保育者が横暴な態度や荒い言葉遣いをしていると、子どもたちもそういうふうに育ってしまうからこそ、保育者自身が友達や相手を思いやる、尊重する姿勢を視覚的に見せることが子どもたちへあるべき姿を伝えるためには大切だと感じています。

|白濵さんの今後の展望を教えてください!

 保育士としては、子どもたちに相手の立場に立って気持ちを考えられる、思いやりを持った行動や言葉掛けができる人になって欲しいと願っています。だからこそ、「自分が言われたらどんな気持ち?」などの声掛けを行うことで、園児自身が考え、自身の行動を振り返られるようなきっかけづくりを行なっています。
 私個人としては、どこかに旅行に行きたいです。大学生時代の友人は、小学校の先生として頑張っている人が多いので、お互い忙しく、中々会えていません。だから、この友人たちと一緒に、どこかに行けたらなぁと…!特に、全話Blu-rayを持ってるくらいハリーポッターが好きなので、USJに行ってみたいです。

|最後に、学生に向けて何か一言お願いします!

 学生のうちに色んなことに挑戦して、できるだけ沢山の経験を積んでおくことは大切だと思います。私自身、ドーナツ屋やカラオケ屋、百貨店など、多岐にわたるバイトを経験していました。そのおかげで、色んな職種との繋がりや、自分の向き不向きにも気付くことができました。だから、失敗とか結果とか、色々考える前に、まずはやってみることが大切だと思います。

|インタビューを終えて

色々考える前に、まずはやってみる

 就活という分岐点が目の前に迫っている大学3年生の私は、この言葉にハッとさせられました。何かを行動する時、計画を練ったり、結果を推測したりすることは大切だけど、時には手と足を先に動かしてみる。そうすることで、まだ見ぬ自分と知り合うことができ、人生の選択肢が広がるのではないでしょうか。
 園児たちのお昼寝の時間に合わせ、お邪魔させていただいた今回のインタビュー。終盤には、お昼寝から起きた園児たちの太陽みたいな明るい声が部屋に響き渡っていました。

鹿児島県出身の21歳。昨年度、1期生としてMOKUMOKU に参加したのをきっかけに、文章を書くことの楽しさを知る。趣味は、本を読むこと。いつかこの本たちを並べた古本屋をつくることが密かな夢。

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