INTERVIEW

騎射場のまちのプロデューサー KISYABAREE 須部貴之さん【スポンサーインタビュー第4弾】

学校・学年・専攻の垣根を越え、共に、人生をデザインする術を身につける場であるライフデザインアカデミーMOKUMOKU。実は、頑張る学生を応援してくださるスポンサー企業の方々によって支えられているんです。

スポンサー企業の方々の仕事や人生を知ることで、自分の未来について考える材料が増えるのではないか…?

よって、第2期では、スポンサー企業の方々にMOKUMOKU生がインタビューを行い、記事にすることに挑戦していきます!

記念すべき第4弾は、 “株式会社KISYABAREE”です!

スポンサー企業のご紹介

株式会社KISYABAREE”は、人・地域・世界をつなぐことをコンセプトに2019年4月に設立。「これからの世界に必要な「場」をつくりつづける」というビジョン、「地域特性を活かした持続可能なまちの戦略をつくる」というミッションを掲げており、主な事業内容として、まちづくり戦略構想作成、まちづくり関連講座企画・講師、まちづくりイベント企画・運営、地域プロモーション、オンライン事業、不動産を行っている。

インタビューのお相手は須部貴之さん

1978年生まれ。ディズニー、ユニクロを経て、三井不動産グループへ入社。2013年に鹿児島へUターン、「騎射場のきさき市」という地域イベントを主宰し、人のつながり・絆をコンセプトに地域で学ぶカレッジ形式の人財育成型の実行委員会を構築中。2019年4月、地域開発と人材育成を軸にこれからの地域の場を支える株式会社KISYABAREE (キシャバリー)を設立する。

都会に出た経験と、鹿児島に戻ってきて感じたこと

ーー県外に1度出たきっかけは何ですか?

 実家が不動産業をしていて将来家業を継ぐために大学で不動産について学んでほしいというのと、高校時代にバンドをしていて音楽に触れたいという思いから、不動産を学ぶ学部がある千葉県の大学に進学しました。
 学生時代は、不動産のことを学びながら、バンドの活動をしたりディズニーランドでアルバイトをしたりしていました。

ーーディズニーランドでの経験と、その経験が今に繋がっていることはありますか?

 ゲストの様子を把握して楽しませる意識や、自ら考えて動く環境があれば学生だけでもディズニーランドのような場を作れるということを体感しました。普段場内に出ているキャストはほとんどがアルバイトの学生で、縦社会ではなくフラットな現場でしたね。
 そのなかで視野を広くしてゲストを見ることを高校生の子から教わったり、全てのゲストはvipであるという考え・理念のもと全員が動いたりすることを学びました。この経験から、そんなチームを地方でも作れたら面白くなるんじゃないかということを鹿児島に帰ってきて感じました。

ーー進学・就職を経て、鹿児島に戻って感じたことは何でしたか?

 実家の仕事を継ぐために10年ほど前に鹿児島に帰ってきて、騎射場周辺の空きテナントや空き家が増えてまちが寂れていると感じましたね。この状況を打破するために、北九州で行われていたリノベーションスクールというまちづくりスクールに参加しました。まちづくりをきっかけに、まちが動いて面白い人が関わることで、次のステップに進めるのではないかと思い始めました。

騎射場のきさき市の今までとこれから

ーーのきさき市とはどのようなものですか?

 騎射場のきさき市は、2015年から騎射場周辺のまちづくり・地域づくりとして人との繋がりを作ることを目的として始めていて、今回で10回目を迎えました。イベントを作るにあたって、ディズニーランドでの経験から、イベントは大学生が中心でやった方が面白い・大学生でもできると思い、地域の大学生を主体にして実行委員が構成されています。もともと京都の五条通りで開催していた”のきさき市”を参考に、騎射場地域のお店の軒や騎射場公園などを使って開催しています。

ーー今年の第10回騎射場のきさき市をみた感想はどうでしたか?

 第4回までは自分でプロデュースをしていたので、毎回どんなのきさき市になるのか大体イメージはできているのですが、第10回がどうなるか想像できていなかったです。
 しかし、歩行者天国を人力車が走るという光景を見て、この仕掛けを作りたかったのかと思い感動しました。自分が想像できないものを作ったなという嬉しさもあり、やられたなという悔しさもありました。 

ーー今後ののきさき市はどのように考えていますか?

 第10回ののきさき市では、騎射場のまちを非日常・カオスな空間に仕上げるということに可能性があると感じました。その可能性を実行委員会には引き継いでもらいたいです。そのなかで私自身は、のきさき市を通して地元の小中学生と周りの大学生を繋げていきたいと思います。地元の子ども達がのきさき市に触れるきっかけを作ることで、何年後かに戻ってきたり実行委員になったりして人が繋がっていく。その流れを作ることで、のきさき市が持続しやすい環境になるかなと思います。

人との繋がり、騎射場のまちづくり

ーーのきさき市などのように、人との繋がりを意識するようになったきっかけは何ですか?

 人との繋がりを意識するようになったきっかけはリノベーションスクールでした。リノベーションスクールの考え方として、地域資源をどう混ぜ合わせるかということがあります。地域資源を混ぜ合わせて、新しい場や人間関係を作っていくことで、その地域に価値が出て自分で自分のまちを作るという仕掛けができる。やはり繋がり・出会いの場の土台として人間関係があると思います。

ーー須部さんの今後の展望を教えてください!

 ”まちのプロデューサー”になりたいなと思います。
 自分自身が地元に繋がりがなくてつまらないなと思って県外に出ていったこともあり、まちへの繋がり作りが大切だと感じていました。のきさき市を立ち上げて継続できた経験からも、いくつものまちはできなくても自分のまちだったらプロデュースして繋がりを作ることができるのではないかと思ったのがきっかけです。
 現在、不動産業やのきさき市などで自分の立ち位置でできることを感じたり、地域の学校の運営委員会で子どもたちと関わったりしています。これから、地元との繋がりや居場所という環境作りや仕掛け作りをして、自分の暮らしている騎射場というまちをプロデュースができたらなと思います。

最後に学生に向けてメッセージをお願いします!

 やりたいことがあったら、騎射場に来てみたらいいと思います。地域の人やお店が学生を受け入れる土壌ができているので、やりたいことでうずうずしてるなら1歩踏み出してみたらいいと思います!

インタビューを終えて

 私自身、今回騎射場のきさき市に参加していて須部さんとはお話をさせていただく機会は多かったのですが、今までの歩みや今後をどのように考えているのか深くお話を聞く機会は初めてでした。
 インタビューで印象的だったのは”騎射場”のまちですること、そして”繋がり”で生まれていくことでした。須部さんの経験や周りの人々が繋がり、”騎射場”というまちで新たなものが生まれていく、という流れの一端が垣間見えたインタビューだったと感じます。私ものきさき市を通して”騎射場”というまちに関わったからこそ、これからもまちや人に繋がり”騎射場”に関わり続けたいと思います。

鹿児島生まれ・鹿児島育ちの抹茶好き大学生。心理学を学んでいたり、コワーキングスペースでコミュニケーター見習いをしていたり。よく緑色の服を着ている。MOKUMOKU2期生として参加。

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